木村陽子 地方財政審議会委員
<財政論から見た現状>
市町村合併だけを見ていては潮目を読めない。
地方交付税の減少・抑制によって構造改革の必要性を実感して、
市町村合併が進み始めた。
人口4,000人以下の小規模町村への段階補正がなくなるから
合併しなければならないというのは誤解が有る。
地方交付税が地方の税収不足と補助金で不足する部分を賄うために
使われてきたが、国も地方も構造改革しなければ持たない状況にある。
仮に日本が欧州通貨EUROに加盟すると仮定すると地方で8%、国で
25%の歳出カットが必要と言う状況
機関委任事務の廃止を地方分権一括法や税財源の委譲で進め、地方で出来る
ことは地方で行ない、国に頭を下げて補助金を取り付けるようなムダは
やめなければならない。
国は国としてエネルギーの入れ方を変え、外交や国防に力を入れていくべき。
地方はアジアの台頭も有り、地域として自立する力を持つことが必要。
地方分権が進めば、自治体は相当量の事務をこなさなければならない。
その為にも合併が考えられるが、合併に対しては、30年先を読んだ合併,
中核とするまちをどこにするかという考えが必要になる。
合併しないと言う選択も有るが問題も有る。フランスでは36,000の自治体が
有り、その98%が1万人未満。この為、広域行政組織を組織させ事業を
行なわせる政策が執られている。実質市町村に残されている事務は戸籍・
住民票・婚姻手続きなどの事務程度となっている。屋上屋を重ねるような
ものであり、広域行政組織よりは市町村合併の方が望ましい形と考える。
<行財政改革について>
行財政面でみれば、財政再建・地方分権の見地から地方交付税は減少する。
効率的な自治体運営が求められる。また、税や利用料・使用料などの収入も
考え、地方の財政を検討していくことが必要。ここからも市町村合併の決断が
必要な場合が出てくるかもしれない。
昭和の大合併に関して言えば、まちづくりの視点に欠けていたものと考える
平成の合併の先進事例において事情を聞くと次のようなことが見えてきた。
合併を進める作業には、議員や役場も苦労をしている。しっかりした事務局が
出来るかが課題。とりわけ財政面に明るく長けた人材が財政計画をたてることが
肝要。ここで立てられた計画の基盤はシンクタンクが建てたもと比べ狂いが
ないと言うことを聞く。
また、議員・役場ともに情報収集・分析の能力を高めることが必要。暗礁に
乗り上げないように論議を導くことが求められる。
庁舎位置や名称で揉めるケースが有るがここはこらえどころ。
合併に向けての前向きな議論を醸成する態度が求められる。
地方分権改革が進んだ後、議員は首長に対して質問していれば良いと
言うものではなくなる。力を高め、政策づくり・ちいきづくりの中に関与して
いくことが求められる。